フッ素の有効性を探りますInformation

フッ素の有効性を探ります

虫歯予防の方法として、歯磨き以外には「フッ素」がよく知られています。小児の虫歯予防には欠かせないものになってきましたが、最近、個性派俳優Eを使って、高濃度フッ化物配合の薬用歯磨きの大々的宣伝を行っています。今回はフッ素についての正しい知識をご紹介します。

 

 

 

フッ素とは

フッ素は、野菜や魚介類、肉、牛乳、塩、お茶の葉など、自然界のほとんどの食品に含まれ、ビタミンのように、毎日摂らなければならない必須の栄養素になっています。ただ、フッ素は単体ではなく、「フッ化ナトリウム」や「フッ化カルシウム」などのように、必ず他の物質と結びついたフッ素化合物として存在します。ミネラル成分として野菜や果物にも微量に含まれ、微量の摂取では問題ないとされています。ただ、その毒性の強さから出来るだけ体内に取り込まない方が良いと主張する研究者もいるので、「安全」と「危険」の両意見があるのが現実になっています。

 

フッ素の歴史

元々、世界で最初にフッ素添加の水道水を使ったのは、あのドイツ・ナチスでした。囚人にフッ素入りの水道水を飲ませて、精神障害を起こさせ、判断力を鈍らせて、コントロールしようと試みたようです。また、1901年にはアメリカの小さな町で、住民の歯に茶色い斑点が多いと共に、虫歯が少ないことがみつかりました。その原因が“その地域の水源に高濃度のフッ素が含まれている”ことにあるとして、それから研究が進んで、フッ素が虫歯予防に効果有りとされました。

 

フッ素のメリット

再石灰化

食事をすると、酸によって歯に含まれるカルシウムやリンなどのミネラルが溶け出しますが、普通は唾液の働き(歯の再石灰化)によって、溶け出した成分を元の状態に戻してくれます。唾液中にフッ素イオンがあると、溶け出したカルシウムをより多くエナメル質に再吸収して、再石灰化を促進し、歯の修復を促すのです。だから、でき始めの初期虫歯を治療し、健康な歯を保つことが可能になるのです。

歯を強化

歯の再石灰化では、フッ素が歯の表面のエナメル質の成分と結びついて、フルオロアパタイトと呼ばれる硬い構造を作り上げることで、ミネラルが溶け出し難く、虫歯に強い歯にしてくれます。

虫歯菌の活動抑制

フッ素は虫歯菌が出す酸の量を抑えるので、酸によって歯が溶かされることが無くなり、虫歯予防に役立つのです。

フッ素のデメリット

フッ素は猛毒か?

フッ素は元素記号「F」で表される元素で、単体の分子としては常温では、空気よりやや重い気体です。ただ、フッ素自体はガラスやプラチナさえも溶かし、猛毒でもあります。

自然界に広く存在

ただ、フッ素は単体では存在出来ず、複合体として地球上のあらゆる動植物、自然物(土や川、海など)に含まれ、地球上に暮らす生物は全て、フッ素を取り込んで生きているのです。

歯に塗るフッ化物

私たちが虫歯予防で使うフッ素は、猛毒と云われるフッ素とは違って、フッ素をその構造内に持っているフッ化物と呼ばれ、フッ素ほどの毒性はないのです。また、フッ化物の使い方やフッ素の量・濃度には制限があり、通常の虫歯予防で使用されるレベルのフッ化ナトリウムなどのフッ化物では、歯科医師の指導の下、用法・用量を守って、正しく使用するならば、人体に悪影響を及ぼすことはないのです。

歯科医院でのフッ素塗布

3~6ヶ月毎に1度塗布

定期的に検診とチェックを組み合わせて、歯科医院で高濃度のフッ素塗布が勧められます。

塗布を始める年齢

フッ素塗布は歯を強化する目的もあるので、歯が生え始めた赤ちゃんにも有効です。乳歯が生えそろった1歳ごろからが、良いでしょう。

自宅でのフッ素塗布

フッ素入り歯磨き粉

自宅使用の歯磨き粉をフッ素入りのものに替えるのも、虫歯予防には効果的です。購入時に、製品の成分表に「モノフルオロリン酸ナトリウム」、「フッ化ナトリウム」と表示されているものを選びましょう。また、フッ素の働きを活かす為に、歯磨き粉の量は多少多めに使い、すすぎは軽く済ませる程度がより効果的です。

ジェルタイプ

歯磨き時にフッ素配合ジェルを塗布することで、フッ素が歯の表面に留まり易く、虫歯予防が期待出来ます。お子さんには、仕上げ磨きの際に大人の方が適量を塗布してあげてください。

フッ素洗口液

寝る前の習慣として、手軽なフッ素洗口液も勧められます。ただ、お子さんの場合は、成分や商品選びに注意し、マウスウォッシュの正しいやり方を教えてください。アルコールや刺激の強い薬用成分を配合のものは避け、フッ素入りマウスウォッシュなら虫歯予防も期待出来ます。

高濃度フッ化物配合薬用歯磨き粉

日本ではフッ素配合を1000ppm(0.1%)までとされていましたが、2017年より1450ppm配合の高濃度フッ化物配合薬用歯磨き粉が発売されました。ただし、厚労省の注意として、以下の2事項を容器に記載することになっています。

・6歳未満の子ども使用を控えること
・6歳未満の子どもの手の届かない所に保管すること

いかがでしたか、医薬品としてはフッ素9000ppmのジェルが使われているくらいですから、高濃度フッ化物配合薬用歯磨き粉が危ないとは云えませんが、正しい用量・方法で虫歯予防を行ってください。

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